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プリンターとオーディオ

オーディオと部屋の関係って、プリンターと紙の関係に似ているのではないか、と思ってみる。

あるデータ(画像でもテキストでも両方でも)を印刷する。プリンターは格安インクジェットプリンター、紙は普通紙(コピー紙)で。結果、ちょっとエッジがぼけたり、色味が変わったり転んだり、彩度が落ちたりはしているけれど、文字は読めるし、画像だっていちおうどんな画像かは分かる。

これって、ラジカセやミニコンポ、もしくは(低ビットレートな)MP3で聴く音楽(何も調整されていない部屋で聴く音楽)と似ているのではないか。

データの場合、一度ディスプレイで確認・目視するから(ディスプレイだって全然正確じゃないけれど・笑)、印刷したものと比較して「色が違う」とか「こんなに暗くない」などと分かりやすい部分があるけれど、音の場合、比較対象がない(?)ため、より分かりにくいのかもしれない(視覚の方が優位であるというのもあるけれど)。

ここで、比較対象、つまり、音に対するイメージが重要になってくる。印刷の場合でも、それが自分の作品(絵、写真、グラフィックなどなど)であれば、明確なイメージがあるはずで、もちろん“格安インクジェットプリンター・普通紙”でオッケーな場合もあれば、「もっと彩度も上げたいしエッジだってきれいに出したい」ということでインクジェットの専用紙に変えるかもしれないし、レーザープリンターで、いやオフセット印刷で、シルク印刷で、、、紙は、もっと白くテクスチャーのあるものがいい、、、などなど自然に湧き上がる(と思う)。

音のイメージの場合、生音を聴いたり、コンサートやライブに行ったり、オーディオの達人の音を聴かせていただいたりして、自分が「良い音だなー」と感じるポイントを学習していくしかない(と思う)。

こんな感じにこんなことを書いていたら、オノセイゲン氏の言葉、「オーディオはワイングラスと似ている(意訳)」を思い出す。ワインは紙コップで飲むより、そのワインに適したグラスで飲む方がうまいでしょ。

コミュニケーションツールとしての音楽(歌詞が分かる、リズムが分かる)もいいけれど、ディティールや細部、構造(などなど)にもっと敬意を払ったっていいんじゃない(と僕は思う)。

と書きつつ、僕の音楽生活の8割がBGMですけど(笑)。