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武学探究 感之一

これから、『武学探究 (巻之二)』の感想を少しづつ書いて行こうと思う。というのも、僕の頭のなかはこのことでいっぱいだから。

では、さっそく得意の抜粋(笑)。

(前略)思考は二次元なのです。つまり思考による論理的説明では本質的に二次元を超えられず、三次元である人間の動きは説明できないわけですね。

甲野さんの、この「思考は平面的」であるという意見に対して、光岡さんは同意し、原始仏典から『鏡面王と盲人』という話を引用するのだけれど、この話の言うところが、以前に書いたパスカルの『パンセ』のなかの一節とほぼ同義だったことに驚いた。約二千年も前にシャカが気付いていたと。

この本には、他に老子とか荘子の引用もあるのだけれど、古典というか講話というか物語の効力を思い知るのだった。身体から意識の乖離という変化、人間の意識肥大の第一段階というべきものが、宗教発生に関係しているだろうか。なんて妄想してみたり。

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あ、「思考は平面的」について言えば、ラマチャンドラン教授も、

人間の脳には1000億の神経細胞がありますが、二つのパターンが重なりあうことはないのです。別の言いかたをすれば、注意のボトルネックがあるわけです。どうやら、注意のリソースは、一度に一つのものにしか配分されないらしいのです。

と、このように書いていることだし、多分そうなのだろう。
実に興味深い。

そして、「感覚も平面的」に続く。