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沈黙と測りあえるほどに

数ヶ月前に買った、武満徹,著『音、沈黙と測りあえるほどに』を読み終えた。というわけで、今、『November Steps』を聴いている。本の中に、「洋楽の音は水平に歩行する。だが、尺八の音は垂直に樹のように起る。」という言葉があったけれど、なるほど、まさにそう。

この本は、ちょっとキザ(?)な表現について行けない感じもあって、読むのに時間がかかってしまったけれど、結果的にはとても面白く、特に、「十一月の階梯 = November Steps に関するノオト」が実に興味深い。

現代作品の多くは潔癖に「過去」を避けようとしているようにみえるのだが、私は「過去」を怖れることはない。新しさと古さの両方が私には必要なのである。だが、「未知」は、過去にも未来にもなく、実は、正確な現在のなかにしかないのだろう。

他の聴いていない武満作品が気になる今日この頃。そういえば、「どですかでん」の音楽も武満さんだったなー。