Best Album of 2006
Best Album of 2006 といっても、2006年リリース限定というわけではなくて、今年、僕が「最も心惹かれた音楽」を記しておく行為です。
Moreno+2 『Music Typewriter』/
ブラジル・ネオ新世代の3人、カエターノ・ヴェローゾの息子、モレーノ、アーティストでドラマーのドメニコ、プロデューサーのカシンによる(いわゆる「+2」ユニットの)最初のアルバム。僕は、今年の5月に発売された「カシン+2」によって、初めてこのユニットの存在を知り、興味を持ち、6月のライブに行き、残りの「モレーノ+2(2000年)」と「ドメニコ+2(2002年)」も気になり、友人にCDを貸してもらい、最初は、そんなでもなかったのだけれど、気が付くと大好きになってしまっていた系。
「ドメニコ+2」も「カシン+2」もそれぞれに個性的で素敵なアルバムだけれど、僕的には、この「モレーノ+2」が非常にフィット。モレーノのヴォーカルは、父親であるカエターノ+アート・リンゼイ÷2という感じで、ファルセット一歩手前というか、なんとも僕好みのマージナルな感じで、さらに、アルバムの楽曲も、ギターの弾き語りから、ロック、ファンク、ハードな曲まで、バランスよく入っているところが、また素晴らしい。(全然、うまく書けていませんが、とにかく素晴らしいのですよ)
ジルベルト・ジル 『声とギター ジル・ルミノーゾ』/
1999年に出版された『ジルミノーゾ』(ジルが作った曲の歌詞やインタヴューを中心に、写真やイラストを盛り込んだアート・ブック)に付属されていたCDを単独で発売したのが、このアルバム。ジルベルト・ジルは、あまり聴いていないのだけれど、例えば、ジョルジュ・ベンといっしょにやっているものや、アンプラグドなんかは好きだったし、「声とギター」というスタイルも大好きなので、このアルバムについては、良さそうな予感はあったものの、ここまで奥に入ってくるとは思わなかった。
中原仁さんが、ライナーノーツで「まずは耳で感じよう。そしてじっくりと噛みしめ、味わおう。」と書かれているけど、まさにその通りで、聴いているだけでもちろん素晴らしいのだけれど、しばらくすると、自然に歌詞カードを見ている自分がいるのだな。完璧なギター、ヴォーカル、そして詩が、三位一体となり、この訴求力を生み出すんじゃなかろうか。
願わくば、LPでも発売して欲しい。なぜなら、このアルバムは、6曲目の「テンポ・ヘイ」までがA面、残りがB面という構成の方が素晴らしいと思うから。
それでは、よいお年を。