アメリカ音楽史
大和田俊之,著『アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』、ようやく読了。
「偉人」を中心に語られる歴史ではなく、「社会の力学」を中心に描く歴史、つまり、エイドリアン・フォーティーの『欲望のオブジェ』や『言葉と建築』の音楽版かも、と思い、買い求め読み始めたのだけれど、内容は多分そんな感じ(笑)。
“アメリカのポピュラー音楽を駆動してきたのは「他人になりすます」欲望である”(今の分かりやすい例でいうとレディー・ガガ?)、つまり、<偽装>をテーマに読み解いていくのだけれど、なかなか興味深いです、よ。
あと、黒人の音楽、白人の音楽、という風に簡単に分けれない(お互いに<偽装>している)ことや、そこに、ヒスパニックやラテンアメリカという第三項の導入なども、ふむふむ。
以下メモ:
ビバップの成立よりもモード・ジャズの完成の方がはるかに重要、という解釈(非西洋、コードという重力からの解放)。「カインド・オブ・ブルー」の水平性、空間性。
中世ヨーロッパからのバラッドの伝統、アフリカや南米経由の黒人文化、この2つの融合を象徴するのがエルヴィス・プレスリー(ビートルズやローリング・ストーンズよりも重要、という解釈)。