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音楽美学思想

事典 世界音楽の本』、「3.3.2.2 聴衆の変容」より抜粋。

音楽は「鳴り響きつつ運動する形式」にほかならず、それを捉えることによってのみ精神的な価値あるものになるとし、それを感情や快と結びつけたりする聴き方を邪道として排除しようとしたハンスリックの音楽美学思想はその代表である。

音楽美学思想、という思想があったのか。僕がある種の音楽を聴くときは、このモードかもしらん。

かつてアドルノは『音楽社会序説』の中で聴衆をいくつかに分類したが、その際、楽曲全体を把握し、構造的に聴取できる理想的な聴衆と対照的な位置に、音楽を娯楽としてしか聴かず、細切れの表層的な刺激を受け取る散漫な聴取に終始するタイプの聴衆を挙げ、批判した。

うーん、でも後者的でもあるなー(笑)。

しかしながら、“今”を考えると、この「純粋鑑賞」というような聴衆は消えつつあるように感じる。音楽が副次的であった長い長い前の時代・文化の在り方に戻りつつあるというか、もともとそういうものだったというか、幻想だった、というか。

鼻歌=iPod、労働歌=BGM、祭り=ライブ(やクラブ)、というようなのが本来的な音楽の在り方なんだよなー、というか。