ケイジ 3
―(前略)あなたが初めて龍安寺の石庭を見たときの反応を思い出させますね。
「私はその庭を前にしたとき驚きました、そして岩はどんな位置にでも置かれえたはずだという印象を受けたのです。多くの美術評論家や哲学者は、岩はまさに然るべき場所に置かれている、と考えているようです。彼らはたくさんの計算をし、庭の図面を起こし、あげくのはてに砂地の上に置かれた15の石が作り出す均衡と調和は唯一の方法―ここで用いられた方法―によってしか表現されえなかった、と論証しています。」
― 帰納的(ア・ポステオリ)な証明にすぎないものが、ある法則の発見に考えられがちなわけですね…。
「ええ、自然と美の法則のね。」
建設的な批判(批評)について考え続ける。