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デザインのひきだし

気になっていた『デザインのひきだし2』を買ってみた。「プロなら知っておきたいデザイン・印刷・紙・加工の実践情報誌」だそう。活版印刷にしてもそうだけど、こういうところで差別化したいという欲求が強いご時世なのだろうか。

特集の「オリジナルグッズを作ろう」って、作りたいですね(笑)。Open Hand Service(一番上にある手のマーク)のピンバッチをずっと作りたいと思っているのだけれど、6万円〜だもんなー。

驚いたことがふたつ。ひとつは、「何様!? 覆面座談会」という連載。「安易なパクリ、多くない?」というような対談なのだけれど、グラフィックデザイン系の雑誌で、名指しで誰かを批判するのってあまりない(僕は知らない)から、これには驚きつつ、ちょっと楽しんだ。

ただ、覆面(匿名)というのはずるい。でも、日本(のグラフィックデザイン界)ではこれが限界なのか。(パクリの問題についてはまた今度)

もうひとつは、ヨシリン(旧姓:ヨッシー)が出ていたこと。

アワーミュージック

ジャン=リュック・ピカードじゃなくて(笑)、ジャン=リュック・ゴダール、デジタル・ゴダールの「ゴダール&ミュジーが作り上げた最強のデジタル・サウンド爆音上映!」というふれこみの『アワーミュージック(Notre Musique)』を見に、吉祥寺のバウスシアターに(自転車で)行ってきたのは昨夜のこと。(映画は8/3の金曜日まで)

ゴダールは、ほとんど見たことがなくて、ただ「爆音」、「そして音楽そのものがテーマともなった」、「5.1チャンネル・サラウンド」というのに惹かれて見に行く。最初は「んーむ」という感じだったけれど、結果的には、なかなか楽しめたんじゃないでしょうか。

僕の知識不足と、映画の抽象性(?)ゆえに、内容はほとんど分からなかったけれど(というか、一回見ただけで分かるものではないよーな、台詞ひとつとっても、本を読むかのように、自分のペースで咀嚼しながらじゃないと理解できないよーな)、それでも何かが僕のなかに残った。

音響的にも、音楽と環境音(?)の切り返し的な効果が面白かったし、なので、DVDが出たら買うかもしれない。
そして、他のゴダール作品も見てみることにしよう。

世界の歴史、時事についても、もう少し知らないと。

SACD

節約のため、CDはなるべく買わないようにしているのだけれど、SACD(Super Audio CD)だと、「つい」買ってしまうんだなー。

何ヶ月か前に、human record のK君から何枚かのCDを借りたのだけれど、そのなかで最もお気に入りだったのが、CAN『Future Days』。
その独特の「浮遊感」、前面に出て来ない「か細く、儚い」ダモ鈴木のヴォーカル。プログレなんだろうけど、僕の苦手な大仰さはない、なんというか「ソフト・プログレ」という感じ(ただ好みなだけなんじゃないのという噂もある)。約20分ある「Bel Air」という曲にしても、プログレにありがちな単に冗長な曲ではなくて、アンビエントな感じで静かに始まり、やがて混沌へと向かい、収束し、また静かに始まり、やがて混沌へ、、、という繰り返し(簡単にいうとね)が、なんとも心地いい。

もう一枚は、オーディオベーシック誌で、渡辺亨さんが書かれていて気になっていた、Kip Hanrahan『Beautiful Scars』。予想通りの大人な濃密系(NYラテン)音楽。ただ、ヴォーカルがちょっと好みではないのが僕的にはおしい。うまくて(あまり)個性がないヴォーカルよりは、少しぐらい下手でも、個性のある声の方がぐっと来るんだなー。

両者ともある程度良い音で聴かなくちゃ、(その複雑性ゆえに)彼らのやっていること、やりたいことが分からないじゃないかなーと思う。つまり、SACDでリリースされてよかったということ。
良い音を要求する音楽もある。

Adriana Calcanhotto – Moreno – Domenico – Kassin

昨日、暑くて何もやる気がせず(もちろん最低限の仕事はしてますよ)、ボーッとけだるい午後を送っていたら、うちの先生からメールが届く。「今夜、リキッド行きませんか?」と。節約のため、泣く泣くライブ行きを断念していた僕に、一筋の光明が!

というわけで、アドリアーナ・カルカニョット+モレーノ+ドメニコ+カシン(長い!)のライブを観に、いざリキッドルームへ!

結果から言うと(というか行かなかったことを考えるとゾッとするほど)、楽しく刺激的なライブだった。知的にアート、クールさのなかの情熱、そしてユーモア。緊張感が漂いながら、何かリラックスした、そんな(どんな?)ライブ。

僕は、基本的に「踊る」ためや「歌う」ために音楽は聴かないし、あまり求めていない(といっても少しは踊ったり歌ったりしますよ)。音と音や、音のレイヤー間での関係性、リズムの構造(というようなもの)に感じる構成美や偶有性、そして「音」そのものに興味があるように思う。もしくは、圧倒的なもの。身動きができないぐらいに圧倒的に酔いしれるもの。

今回のライブは、前者的な興味が満足させられたわけで、次は、後者、例えば、カエターノの歌声が聴きたいなーーと、強く思うのだった。(カエターノの場合は両者の性質を持ち合わせているかも)
それにしても、モレーノとドメニコの2人でパンディーロ→2人でMPCの流れには、見た目のユーモアさとは別に、なんだかもの凄いものを見た・聴いたような気がした。