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瑣末主義

美術館、それもきれいな建物に、このマットはないでしょう。と思うのは、僕のような瑣末主義者(笑)くらいなんだろうか。(写真:横須賀美術館のトイレ入口)

トイレ案内の張り紙(他の張り紙も含む)にしても、ちゃんとデザインされていない。もしかして、何かのっぴきならない理由があるのかもしれないし、偶然この日だけこういうことになっていたのかもしれないけれど、僕なんかは、単にコンセンサスがとれてないんだろうなーと思ってしまう。

そして、例えばこの場合、建物にお金をかけて立派なものを作っておきながら、こういう意識の低さを垣間見ると、「もったいない」というか、それを通り越して「怒り」に近い感情が芽生える。

僕がいいなーと思った美術館とか、それに類するような施設(直島とかYCAMとか)は、上のようなことはなかったように思う。少なくとも僕の目には入らなかった。そこには、コンセプトを共有し、共感しているスタッフがいた(ような気がする)。

これは、プロダクトやデザインにも言えることで、せっかく素敵なデザインなのに、ロゴマークがどーんと無遠慮にあったり(そもそもそのロゴ自体がひどかったり)、材質が安っぽかったり。なんというか「イケメンに鼻毛」的残念感なんだなー。

大事なのは、コンセプトの共有と共感。自戒を込めて。

あと、大局を見るというのは、おぼろげに全体を見通すことではなくて、全部に神経をとがらせて把握することなんじゃないか。もしくは、そういうシステムを構築することかもしれない。

というのが、昨日考えたこと。

横須賀美術館

横須賀美術館
横須賀美術館

土曜、先生が「遠くに行きたい」と仰るので、少しばかり気になっていた、横須賀美術館に行く。

美術館の建築的な印象は、「白い、柔らか、軽やか」で、特徴的なところがないことは全然ないのだけれど、何かが希薄(?)に感じる。サイン計画には、個性があり、これが美術館にちょっとした性格付けをしているかもと思う。(設計:山本理顕/サイン計画:廣村正彰)

以前、さる方に「形にしか興味がないんでしょ?」と言われ、「そうなんですよー」と答えたのだけれど、そのことについて少し考えてみる。

今までよかったなーと思った美術館(など)を思い浮かべてみたりして、自分の興味(感動)の本質はどこにあるのか探ってみる。

考える人

考える人

特集「続・クラシック音楽と本さえあれば」に惹かれ、表紙は、アンナー・ビルスマかと驚き、さらに、以前、すごく面白かったと書いた、NHKのETV特集『言葉で奏でる音楽 〜吉田秀和の軌跡〜』での、吉田氏と堀江敏幸氏との対談の続きもあったので、季刊誌『考える人』を買ってみた。

(ちょろちょろと他のページも読み進めると、Oさんが書いてらっしゃったのは、この雑誌のことだったのか(!)とようやく気付く。)

ビルスマさんのお宅は素敵だなーと思いつつ、音楽と評論、というより、芸術と評論、知性と感性とかいうこと(かな)を考える。

音質改善

bose_cdradio

日曜、J-Wave の SAUDE! SAUDADE… にて、「モレーノ+ドメニコ+カシンをクローズアップ」ということだったので、寝室で寝転がりながら聴いていたのだけれど、どうも BOSE 君の低域が過剰且つ不明瞭なんだなー(現行のモデルはそんなことないらしいけれど)。

ということで、オーディオマニアな僕としては、この音は許せないので(笑)、セッティングを見直すことに。結果、上の写真にあるように、スパイク(円錐形のもの)を底面に付ける。ウッドブロックでもよかったのだけれど、スパイクの方がよりシャープな方向性にシフトするのだなー。

設置(接地)面との関係(強度・面積・距離…)は、オーディオにとって非常に重要なのだ。

なのだ。

memorandum

ここ一週間くらいのメモ。僕にとってブログとは、メモのようなものかもしれない(だから、あまり真剣に受け止めないでね)。

建築家のアリメさんも書かれていたが、NHKのETV特集『言葉で奏でる音楽 ~吉田秀和の軌跡~』が非常に面白かった。比喩表現による的確(なんですよね?)な評論に加えて、若き音楽家の育成に力を注ぐ吉田氏。これこそが評論家のあるべき姿ではないかと。(勝見勝さんは、デザイン界の氏のような存在だったのかなと思ったり。)

80年代に来日したホロヴィッツのことを「ひびの入った骨董」と形容されたのが最も印象的。

NHKといえば、『YMOからHASへ 高橋幸宏+坂本龍一+細野晴臣 音楽の旅』も面白かった。再結成的にはほとんど興味はなかったのだけれど、ライブでの「CUE」がもの凄くいい感じ。なんというか“引きの美学”というか。思わず、RYDEEN79/07 を iTunes Store で買ってしまう。

テレビは、『熱中時間』(笑)も含めて、やはりNHKが一番面白いと感じる。(発動機の音をサンプリングしたいぞ!)

音楽。テレビで偶然見た、ジム・ジャームッシュ,監『ブロークン・フラワーズ』。そこに流れていた妙に懐かしいような、怪しいような音楽が気になり、サントラを購入(本当は、キップ・ハンラハンの新作を買おうと思っていたのだけれど、発売延期になってしまったのだった)。僕が気になっていたのは、エチオピア出身のマルチ器楽奏者&作曲家、ムラトゥ・アスタトゥケの音楽だった。次は『Ethiopiques, Vol. 4: Ethio Jazz & Musique Instrumentale, 1969-1974』を買うべしだな。怪しくて切ない。

同居人が、ジョニ・ミッチェルの『BLUE』を購入。ライノが今年リリースした180グラムのLP。(僕も)ずっと欲しいと思っていたところ、オーディオベーシック誌にこのリマスターは秀逸とあったので。肝心の音は、鮮烈という感じかな。オリジナル盤や日本盤と比較試聴してみたい。

後は、またまたアリメさんからお借りした、エイドリアン・フォーティー,著『言葉と建築』を、途中まで斜めに読んでいたのをリセットし、最初から丁寧に読み始める。言語の力を見直し始める。僕も普通にモダニズムの影響を受けているだけなのか(?)。

以上(かな?)。

あ、茂木健一郎さんの『偶有性の自然誌』の授業(僕は音声ファイルでだけれど)も面白かった。「未来に適応することことが脳(記憶)の唯一の目的」ですか。なるほど。(もちろん内容のほとんどはさっぱり分かりませんが)

冗長美論も興味深いですな。