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小村雪岱展

先週の金曜は、ニューオータニ美術館にて「大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展」を観賞(写真は、買って帰ってきたポストカードセット)。

何週間か前に、NHKの日曜美術館(アートシーン)で紹介されていて、とっても良さそうだったので行ってみたのだけれど、これがもう本当に良くてですね、何というか、日本画の伝統を踏まえつつも、しっかりとグラフィックデザインしている、のだなー(上の写真じゃ分からないと思うけれど)。

数々の装丁における、線、色、グラデーション、空間(間)などなどの使い方が、本当に素晴らしくて、久しぶりに頭が一瞬真っ白になるくらいの衝撃もあったり。

ただ、図録が残念なのが残念なのだけれど、それだけに本物をしっかりとこの目で見られて良かったとも言える(けれど残念…)。

ああ。

P.S. 展覧会は25日まで、なのでもう終わっています。

暇と退屈の倫理学

國分功一郎,著『暇と退屈の倫理学』、読了。数年前に耳を悪くしてからというもの、オーディオという趣味を半ば諦め、同様に音楽鑑賞という(中学生の頃からの一番の)趣味にも一定の距離を置かざるをえないわけで、つまり、以前より「暇」が増え、漠然と(本書にもあるように)「なんとなく退屈」という心的状況が続いてまして、それで、読んでみたのでした。

著者が言うように、本書の結論に意味があるというよりも、「本書を通読するという過程を経てはじめて意味をもつ」ような、哲学的な思考法を学んでいくような、そんな感じ。

私的には、ハイデッガーによる退屈の3つの形式や、ユクスキュルの「環世界」という概念が、思考の道具として使えそうな、そんな感じ。

とりさらわれたい、動物になりたい。

奇跡の脳

何週間か前に、NHKのスーパープレゼンテーション(つまりTED)を見ていたら、“脳卒中になってしまった脳科学者”であるジル・ボルト・テイラーさんが出ていて、で、興味を持ち、著書の『奇跡の脳: 脳科学者の脳が壊れたとき』を読んでみたのでした。

「そうよ、これまでなんにんのかがくしゃが、脳の機能とそれがうしなわれていくさまを、内がわから研究したことがあるっていうの?」

という感じ(?)に興味深い内容です(!)。

最近は他に、ダニエル・L・エヴェレット,著『ピダハン:「言語本能」を超える文化と世界観』や、小熊英二,著『社会を変えるには』などなども読んだっけ(メモ)。

はい。

生きのびるための建築

石山修武,著『生きのびるための建築』、読了。どなたかのツイートを見て、坂口恭平さんによるこの本の書評を知り、読み、とっても面白そうだったので買ってみたのだけれど、結果、とっても面白かったですよ(笑)。

講義をまとめた本、しかも建築系ということで、十数年前に読んだ、安藤忠雄,著『建築を語る』を思い出し、そういえばあの本でバックミンスター・フラーを知り、ハマったんだよなー、とか回想しつつ、この本でもフラーは度々出てきていて、僕が思っていた以上にフラーは建築家のみなさんに影響を与えていたんだなー、直接というより(ある意味)それを乗り越えるという形で、ということも分かったり。

(『生きのびるための…』といえば、ヴィクター・パパネックを連想しがちだけれど、僕が読んだ限りでは関係ないと思われます、多分…。あと、装丁・デザインが服部一成+山下ともこさんなのだけれど、素敵なデザインだし、読みやすいとも思うのだけれど、石山修武さんのイメージとはちょっと違うかなー、と思ったり)