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イラストレーターのドリル!

イラストレーターのドリル!

現在発売中、長谷川アンナ,著『イラストレーターのドリル! ― CS5、CS4、CS3、CS2、CS対応』のデザインを(『GIMPのドリル!』に引き続き)担当させていただきました。(祝『GIMPのドリル!』増刷、第三版!)

イラストレーターの基本的な操作はもちろん、ちょっとしたデザインのコツも習得できてしまうという、かなりお得な本になっていますので、是非!(中身はこちら

20歳代の模索と情熱

復活の日はまだみたいだけれど(笑)、内田樹, 石川康宏, 著『若者よ、マルクスを読もう』を読み始める。

この本の副題「20歳代の模索と情熱」のように、僕も20代の半ばに小難しい本を(意味も分からず)読み漁っていた時期があって、でも、30代となった今、そんな気力も体力もあるわけがなく、こうやって入門書的なものを読んでいるわけです(笑)。

だがしかし、高校生向けに書かれているこの本でさえ、かなり厳しいのが現実。うーん…

ちなみに、僕が20代に読破した一番難しく、読むのに苦労した本は、スティーヴン・J・グールド,著『個体発生と系統発生』。ヘッケル博士の言葉「個体発生は系統発生を繰り返す」の真意が知りたくて読み始めたのだけれど…

結局、僕のなかに残っているのは「あくまでも過程は結果よりも根源的である」ということのみ(多分)。

でもやっぱり背伸びしてよかったと思うあるよ。20代の底知れぬパワーよ。

うん。

Corporate Diversity

geigy.jpg

Corporate Diversity: Swiss Graphic Design and Advertising by Geigy 1940-1970 を買ってしまう。久しぶりのデザイン萌え(笑)。

この本は「スイスの製薬会社ガイギーのグラフィックデザイン集」なのだけれど、やっぱり僕は、あの年代のスイスのグラフィックデザインが好きなんだなー、と思い直す(?)。

ちなみに、上の写真は背表紙(現物が欲しい!)。

腹→頭

先日書いた『連塾 方法日本II』に、書いてあったと思うのだけれど、

「腹が立つ」という表現が「頭にくる」、そして「キレる」という風に変化してきている。

だそうだ(意訳)。つまり、「腹」から「脳」にシフトしてきている、ということ。

それを読んで思い出したのが、爆問での末松教授の回で、

腸は第二の脳というより、脳が第二の腸だ。

というような話。ミミズには脳がないのに学習能力(?)などがあり、まるで思考しているかのように振る舞う。腸というのは言わばミミズのお化けみたいなものだから、つまり思考(?)していてもおかしくない、というような話(かなり意訳なので鵜呑みにしないでね)。

さらに、千夜千冊の1345夜『リスクのモノサシ』の参考情報(2)に、

ガードナーは「頭」と「腹」とが別々の推定や判断をしているということをみごとに暴いている。

と書いてあるではないですか(!)、という話。

うーん、なんだか「精神」と「身体」より、「脳」と「腹」という表現の方が良いのかもしれない(?)と思えてきたので、とりあえずガードナー,著『リスクにあなたは騙される―「恐怖」を操る論理』を読んでみることにしよう。

うん。

ちなみに、「腹が立つ」は義憤、「頭にくる」は私憤、のような気がする。僕の場合。

***

推敲していて、「ムカつく」という表現を忘れていたことに気がつく(!)。となると、「腹」→「胸(ムカつく)」→「頭(キレる)」なのか(?)。うーん…

侘び・数奇・余白

松岡正剛,著『連塾 方法日本II 侘び・数寄・余白 アートにひそむ負の想像力』を読み終える。途中、うまく理解出来ず、興味を失いそうになるが、岡倉天心やイサム・ノグチなどの興味ある話で盛り返し(笑)、結果、とってもおもしろかったなー。

方法日本の本質を説明するには、芸術と芸能はゼッタイに欠かせないのです。ですから本書の全篇を通して、日本の歴史や現在の文化の根底には「ウツ」と「ウツツ」、「尽くし」と「引き算」、「執着」と「遁世」、「型」と「型破り」といった両極の作用があること、それらがあたかもリバースするように行ったり来たりし、また魔法のように重なっていくかのように組合わさってきたのは、いったいどうしてかという話になっています。

というような内容です(あとがきより)。

自分が理想としてきたデザインの本質は、方法日本、まさに日本的なものだったということに気が付けたことが一番の収穫。これからも「やつし」で行きます。

そして、僕の音楽の趣向についても、ひとつの説明ができたような気が(また書きます)。

もっとも病弱の美というか、弱さの強さというものもあると思いますからね。フォルテではない、ピアノな凄みに向かってください。

僕もその方向でいきたい。