低飛行中。急ぐ仕事もないので、ひたすら音楽を聴きながら読書。英気を養う。
ヘヴィーな『芸術人類学』を(ようやく)読み終え、続いて、春樹さんの『スプートニクの恋人』と『アフターダーク』を久しぶりに読み返す。そして、この2冊の(僕のなかでの)評価は逆転する。
あるアーティストのある作品に感銘を受けると、他の作品にも同じ種類の感動を求めてしまうというのは往々にしてあると思う。確固としたスタイルのあるアーティストならば、“ひとつ好き”→“全部好き”ということになりやすいけれど、作風が変化していくタイプのアーティストの場合には、もっと根底にある“主張”のようなものに共感がないと、興味を失いがちになり、もっと言うと“失望”してしまう。
音楽。一昨日はひたすらクラシック。クラウディオ・アラウの弾く『ワルトシュタイン』から始まり、リヒターの弾くシューベルトのピアノ・ソナタ13、14、16、そして、4つの即興曲。『ワルトシュタイン』の(ジャズみたいな言い方ですが)テーマに戻る前の一音に心震え、シューベルト独特の“強度”に惹かれ続ける。そして、昨日はひたすらジャズ(フュージョン)。
うれしいことに、ここ数日間、音がとても良い。引き戸の障子部分(2枚)にフェルトを貼ったからなのか、スピーカーが小慣れてきたからなのか、それとも、単に暖かくなってきたからなのかは分からないけど、とにかく良い。
良いこともある。
ATAK010、『filmachine phonics』は、賛否両論だろうけど、僕は「賛」の方。ヘッドフォンでサラウンドっていうのには懐疑的だったけれど、これは面白い。(だがしかし、リアル・サラウンド志向な僕は、4chバージョンも求めてしまう。)
あと、このCDには、CD(44.1kHz/16bit)より音の良い音源、AIFF(48kHz/24bit)ファイル(など)が入っているのだけれど、これは素晴らしい試み。It is good that a sound is good.
そして、ATAK | diary より。
思うに極限まで忙しいと迷うとか悩むというギアが完全に無くなるというか、直感的に正しいチョイスをするようになるものです。なので最近僕は恐ろしく悩まない。考えるけど悩んだり迷ったりしないという人間になっていて悩んだりしてる人を見るとヒマだなと思うようになっています。あと決断に時間がかかる人というのも同様です。決断が間違っていても直せばいいだけで、しないよりは決断して始めて違うと思ったら何回も直すほうがクオリティも上がるし意外な結果も現れる可能性がある。
ふむ。
今日は、ジョージ・ベンソンの『Breezin’』な日。朝聴いて、夜にも(大音量で)聴く。
完璧としか言いようのない、さわやかさ大爆発の1曲目「Breezin’」、そして、ナルシス感がたまらない2曲目「This Masquerade」、、、ジョーベンのギターが(文字通り)歌い、それを、ハービー・メイソンの完璧なビート、さらに、秀逸なストリングスのアレンジが、、、ああぁ~
ということで(笑)、『Breezin’』のスーパーオーディオCDを買っておかなければいけないと、思うに至る。が、SACDで発売されていないではないか!
と落ち込むが、なんと、DVDオーディオで発売されているではないか!
と、独り盛り上がる(笑)。
金曜は、渋谷のUPLINKにて『ATAK展』を観賞後、大井町のカンティネッタで、Webディレクターとおいしいワインに酔う。土曜は、久しぶりのオーディオOFF会。Dolonさんの音を初めて聴かせていただく。帰宅後、仕事。日曜は、仕事の修正指示を待ちつつ、WOWOWでやっていた『ロード・オブ・ザ・リング』を見倒す。
『ATAK展』は、僕が感心を持っているATAKのアートワークの、ラフやアイデアの状態から見られるものだったのだけれど、ボツになった案なんかが想像以上にイケテナイものが多くて(笑)、彼らも僕と同じ人間なんだとホッとする。以前、デザインの現場で見た、グルビの100%チョコレートのボツ案もそんな感じだったことを思い出す。
ただ、最終的にできるものは両者ともに素晴らしいものなので、ある段階に「飛躍(ブレークスルー)」が起きているわけで、そこらへんの詳しいところが知りたいのであります。
とりあえず作ってみるということの大切さなのか。もしくは、イチオシとのコントラスト比を上げるための駄作群なのか。
タイポグラフィ的興奮と言えば、ATAK NIGHT 3 のフライヤーも、そう。ネット上で見ていると、ちょっと勢いが落ちてきたのかなーと思っていたのだけれど、実物のフライヤーはやっぱり凄い。僕も、久しぶりに特色使いたい。。(不純な動機)
昨日は、非常に内容の濃い「音と戯れる会」。真剣に音を聴くという行為は、非常に集中力を要するし、疲弊さえもする。というわけで、今日は、ほんのり廃人。。
それにしても、内田樹さんのブログ(後ろの方)に書いてあった、
それだけでもびっくりなのだが、一番驚いたのは(これはまだあまり知られていないことだそうだけれど) ミラーニューロンを活性化する薬が発明されたという話である。それを人間に注入してみたら、どうなったか。他者との共感能力が異常に高まって「千里眼」になった・・・とふつうなら想像するが、そうではなかった。ミラーニューロンが活性化した人は全員が同じ幻覚を見たのである。それは「幽体離脱」である。
には、驚いた!