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アメリカ音楽史

大和田俊之,著『アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』、ようやく読了。

「偉人」を中心に語られる歴史ではなく、「社会の力学」を中心に描く歴史、つまり、エイドリアン・フォーティーの『欲望のオブジェ』や『言葉と建築』の音楽版かも、と思い、買い求め読み始めたのだけれど、内容は多分そんな感じ(笑)。

“アメリカのポピュラー音楽を駆動してきたのは「他人になりすます」欲望である”(今の分かりやすい例でいうとレディー・ガガ?)、つまり、<偽装>をテーマに読み解いていくのだけれど、なかなか興味深いです、よ。

あと、黒人の音楽、白人の音楽、という風に簡単に分けれない(お互いに<偽装>している)ことや、そこに、ヒスパニックやラテンアメリカという第三項の導入なども、ふむふむ。

以下メモ:

ビバップの成立よりもモード・ジャズの完成の方がはるかに重要、という解釈(非西洋、コードという重力からの解放)。「カインド・オブ・ブルー」の水平性、空間性。

中世ヨーロッパからのバラッドの伝統、アフリカや南米経由の黒人文化、この2つの融合を象徴するのがエルヴィス・プレスリー(ビートルズやローリング・ストーンズよりも重要、という解釈)。

発電所美術館

帰省のついでに立ち寄った美術館その2、入善にある下山芸術の森「発電所美術館」。写真は、館外に伸びる導水管。

元発電所な美術館というと、テートモダンを思い出してしまう僕ですが、こちらは火力ではなく水力発電所跡、しかも、1995年オープンだそうなので、テートモダンより古いじゃないですか(富山に住んでいたのに知らなかったという…)。

趣き深い大正時代のレンガ造りの建物、その中に発電用タービンや導水管が残された(工場萌え的な)広い展示空間、そこに音と光と水を使った現代アート(僕が行ったときは「ニュートラル・プロダクション展」でしたよ)。

こういう興味深い特殊な空間、良いです。自分だったらどう使うだろう(アートティストじゃないけれど)とか、あのアーティストだったらどう使うだろうとか… 今後にも期待です(喫茶「HABA」も良かったし、アイスコーヒーも美味しかったし)。

あ、さっき HITSPAPER で見た黒川良一さんの「Octfalls」なんかも良さそうかも(ベタ過ぎかも・笑)。

かも。

谷村美術館

9月、お久しぶりの更新(結局、8月は一回の更新もせず)。理由は色々と思い浮かぶけれど、最大の要因は耳の不調にあると思う(それと暑さ…)。

耳の不調→音楽を楽しく聴けない→無気力。他の趣味を開拓せねば(全米オープンテニスが始まっているので、今はテニスに夢中だけれど)。

写真、帰省のついでに立ち寄った、糸魚川にある谷村美術館。村野藤吾設計による澤田政廣作品展示館。得難い空間、感覚。

もうひとつ立ち寄った、入善にある発電所美術館についてはまた今度。