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YCAMでの『渋谷慶一郎 LIVEコンサート/musimissile – ミュジミサイル -』については、そんなに期待していなかった僕だけれど、このライブは、とても美しく、刺激的な時間(空間)となった。
「ピアノ+コンピュータ(+映像による同時多層的空間アンサンブル)」という形態というと、坂本龍一+アルヴァ・ノト(カールステン・ニコライ)が有名だと思うのだけれど、何が違うかというと、まず、渋谷さんが弾くピアノが既存の曲を弾いているということ。しかも、サティとかケージとかブラームスとかバッハ、そして渋谷さん自信の曲。そして、コンピュータ群の音がサラウンドであること。
最初のサティでは、突然の暴力的な電子音に、さすがに違和感もあり、メチャグチャにしか思えなかったのだが、2曲目(2曲目もサティ)以降は、逆にその違和感が心地よくなる。会場全体に漂い、ときには襲いかかってくる電子音、その中に凛としてあるアコースティックなピアノ音。暴力的なノイズにかき消されようと、そこに存在する確固たる名曲よ。美しい。
鬱蒼と茂るジャングル(電子音)のなかで、獲物(ピアノ)を見つけ、ロックオンし続ける快楽に通じるのかもと思ったり。
それにしても、良いサラウンド空間だった。(特に、evalaさんのソロがよかった。)
では、続き。filmachine の感想。
円上に配置された8つのスピーカー、それが上中下と3段になっているから計24個となる。確かに、上から下に音が降りてくる感じや、音が自分の中を通っていく感じなど、僕にとって初めての体験だけれど、「こんな感じになるよなー」といったクールな思いだけだったのだ。酷く言えば、ハリウッドのアクション映画の絵なしっていう感。(LEDは眩し過ぎるし)
とてつもないスピードで、音が頭上でぐるぐる回っている。でも、この知覚に感応するクオリアが僕にはないだけなのだろうか。というよりも、現実での飛行機内の音、新幹線と新幹線がすれ違うときの音などの方が、はるかに感動的だと思ってしまう。(感動的?)
それで、僕の嫌いな「音楽的」という言葉について考え始める。そして、その日の夜にあった『musimissile』という、ピアノ+コンピュータ+映像による同時多層的なコンサートを、僕は「音楽的」だと思ったのだ。
この filmachine を体験しに、はるばる山口まで行ってきた。
上の写真では、さっぱり分からないと思うので(笑)、簡単に説明するとですね、
サウンドアーティスト、作曲家の渋谷慶一郎と、複雑系科学研究者の池上高志両氏のコラボレーションによる新作サウンドインスタレーション。彼らが提唱する複雑系科学を応用した新しい音楽構成理論「第三項音楽」に基づいて緻密に作り上げられたコンピュータサウンドによる立体音響インスタレーションです。
直径約7.5m、高さ約5mの円柱状に均等につり下げられた一周8個3層から成る24個のスピーカー群と、そこから再生されるサウンドを完全制御する立体音響システムHuron(ヒューロン)、db(デシベル)データによって点滅するLED照明、それらを様々な高さや位置で体験するために、不均等に組み立てられた床面の箱の集積から構成されています。観客は、作品空間に入ると、通常の安定した知覚をアンジュレーションのある床によって取り払われ、局在的に動くサウンドが生み出す新しい空間性と移動感覚に耳を奪われながら、作品空間内を自由に動いて体験することができます。
というもの。(説明じゃなくて引用だけど。)
で、感想はというと、予想範囲内の想像通り。つまり、想定内。
ツヅク…
山口→広島から帰って来ました。
というか、帰ってきたのは昨日の夜遅く。今日は、旅の疲れでダウンしつつ、CSの Super! drama TV でやっていた『スタートレックまるごと40時間』の3日目を見る。ライカーの謎が解ける。
そういえば、Super! drama TV のロゴマークって、佐藤可士和さんなのだろうか。(でなくても、彼のフォロワーだろうよ。)
ネームヴァリュー+プレゼン力のたまものよ!