昨日は、Moreno-Domenico-Kassin+2 のライブを見に、代官山UNITへ行く。道に迷う。ライブは、アルバムの印象のまま拡大増強した感じで、ゆるい感じも、悪びれない感じも、あくまで楽しく的な感じも、すごくナチュラルで、よい意味でアマチュア的で、うん、楽しかった。
前半は、カシンがヴォーカルを取る「Kassin+2」形態で、後半から、ドメニコがヴォーカルの「Domenico+2」、そして、モレーノがヴォーカルの「Moreno+2」と続き、またカシンに戻るといった(簡単に言うとこんな)感じでライブが進む。このバンドならではの、1バンドで3回おいしい感じは、やはり強力。さらに、後半の数曲で、ゲストの高野寛が入り、アンコールでは Saigenji が入り、自曲を2曲歌ったりの蛇足付き。
蛇足ではない(笑)、+2の2人、前回のカエターノの来日メンバーでもあった、パーカッションのステファンと、ギターのペドロ・サーは相変わらず素晴らしくて、そして、なんだかとても楽しそうだった。ペドロ・サーの「Futurismo」のリフがすごくかわいかった。
さらに書くと、オタク系小太り(←失礼)のカシンが、ギターを「ギャーン」って鳴らしている姿が、なんだかとても不釣り合いで、かわいかったり、モレーノの歌声にカエターノの面影を感じ、やはり親子なんだなーと思ったり、ゲストの「タカノヒロシサン」が出てきたとき、会場の「誰?」ってざわめきがかわいそうだったり。。
そういえば、今日のスペシャルゲストって誰なのだろうか。
フラードーム(住宅)の内覧会に行く。ほとんど完成しているのかと思いきや、内装が全然じゃないですか。
バックミンスター・フラーを敬愛する僕としては、押さえておかなきゃならないフラードーム。現時点でいえば、全くの期待以下で、例えば、開放感より壁際の閉鎖感が気になったり、ドーム内が(施工中ですから)雑然とし過ぎていて自慢の「音響」を確認できなかったり。まあ、7月にまた内覧会(完成形)をやるそうなので、暇があったら行こうと思うけど。
でも、こういう空間で育つと、我々とはちょっと違う感覚が養われるのだろうなー。
数ヶ月前に買った、武満徹,著『音、沈黙と測りあえるほどに』を読み終えた。というわけで、今、『November Steps』を聴いている。本の中に、「洋楽の音は水平に歩行する。だが、尺八の音は垂直に樹のように起る。」という言葉があったけれど、なるほど、まさにそう。
この本は、ちょっとキザ(?)な表現について行けない感じもあって、読むのに時間がかかってしまったけれど、結果的にはとても面白く、特に、「十一月の階梯 = November Steps に関するノオト」が実に興味深い。
現代作品の多くは潔癖に「過去」を避けようとしているようにみえるのだが、私は「過去」を怖れることはない。新しさと古さの両方が私には必要なのである。だが、「未知」は、過去にも未来にもなく、実は、正確な現在のなかにしかないのだろう。
他の聴いていない武満作品が気になる今日この頃。そういえば、「どですかでん」の音楽も武満さんだったなー。
何週間か前に、CSで黒澤明監督の『どですかでん』を初めて見たのだけれど、そのときは、「チャンネル替えようかなー」という誘惑が何回かあったくらいの「んーむ」という感じの印象だった。
だけれど、その後、気がつくとあの映画の数々のエピソードが頭のなかを流れている。特に、あの夢想建築家(?)とその息子の話を。
映画を見て、こういう感覚になったのは初めてなので、少し戸惑いつつも、黒澤監督はやはりただ者ではないのだなとひとりうなずく。