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Archive: Music

空気のふるえ

なかにし礼,著『音楽への恋文』を読む。氏のクラシック音楽への愛が、同じ音楽(違う音楽)好きの僕としては、「分かる、分かりますよ」という感じで(程度は違うでしょうけど)。

コンサートについて、

なぜなら、ほとんどの演奏会がつまらないからである。つまらないなら行かなければいいというのが道理だが、二十回に一回、三十回に一回くらいの割で、相当にいい演奏会に接触できるから困るのである。そして、百回に一回くらいの極めて少ない確率で、とんでもない事件のような感動をうけるときさえあるからなお困るのである。

と書かれているのには、大いに勇気づけられる(?)。僕は、クラシックのコンサートには合わせて10回も行っていないけれど、すごく感動したのは1回(ブーレーズ指揮/グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラ)だけで、3万円(!)もしたコンサート(バレンボイム指揮/シカゴ交響楽団)で失敗してからは、バカらしくて(ほとんど)行かなくなってしまっていたのだなー。でも、こんなもんなのね。

音楽は空気のふるえである。音楽を聴くということは、楽器がうなってふるわせた空気の中に身を置くということにほかならない。

僕が、オーディオで大きな音を出したいのは、この「ふるえ」を体感したいからなんだろうなー。

クラシック音楽を聴くことによって、ぼくは自分の精神の老化を知り、不健康を知り、また健康であることを知る。クラシック音楽を聴くことによって精神が生き生きとよみがえる。今後のチェックポイントを知り、志を正しく持ち続けようと思うのだ。

僕の場合、クラシック音楽だけじゃない(というよりそれ以外の方が多い)けれど、僕もそう思いますです(!)。

と書きつつ、耳の調子がよろしくない今日この頃。。

ATAK011

ATAK011 LIVE DVD ATAK NIGHT3 買いました。Amazon で 2,205円。安い(!)。

ジャケットの文字が、(上の写真じゃ分かりにくいかもしれないが)ちょいガビガビしているのだけれど、最初、印刷ミスかと思ってしまう(笑)。でも、こういう小技、好きなんだなー(大いなる意味があるのかもしれないけど)。

で、内容は、圧倒的。特に、渋谷慶一郎。ワケの分からない凄さに、鼻血が出そうになり(笑)、ピカピカの嵐に、癲癇一歩手前。これは、4ch で聴きたかった。ライブに行かなかったのが悔やまれる(ATAK NIGHT2 より、色々な意味で全体的に良くなっているように感じるし、次は行くべし)。

で、Pan sonic もさすが(?)という感じだったけれど、結局、一番記憶に残っているのは、スペシャル・シークレット・ゲストの灰野敬二さんだったりする(笑)。人間の声ってやっぱり凄い。

笑い過ぎ。

ブリテン:無伴奏チェロ組曲

2年くらい前から徐々に、ウィスペルウェイの『ブリテン:3つの無伴奏チェロ組曲』(SACD)が、写真のように、レーベル面の周縁から剥がれていき、1年くらい前に今の状態になって、プレイヤーが壊れたらあれなので、聴いていなかったのだけれど、最近、どうしても聴きたいという気持ちが高まり、新しく買い直したのでした。

もともと、ハンナ・チャンのコンサートの演目に、ブリテンの無伴奏チェロ組曲の第1番があったので、その予習にと聴き始めたのだけれど、すっかり気に入ってしまったんだなー。バッハのも、コダーイのもいいけど、ブリテンの無伴奏チェロもいい。

この曲は、ロストロポーヴィチのために(?)作られたものだから、この際、ロストロポーヴィチのCDを買おう(追悼の意味も含め)かとも思ったのだけれど、SACDがなくなるかもしれないという不安感もあり、結局、ウィスペルウェイになったのでした。

で、久しぶりに聴くと、自分のオーディオの進化が如実に(!)。あまりの迫力に、チェロという楽器は、人というスケールにすごくマッチしている、つまり、力(精神的身体的)を入れた分だけ相応に答えてくれる楽器なんじゃないか、とか思う(ヴァイオリンだとちと小さくて、コンバスだとちと大きい)。

それにしても、HMVのネットストアは安い(笑)。

Popp

Popp 
Popp

最近引っ越しされたYさんから、Salon Sound Issue / Techno Music Landscapes なるビデオをいただいたので、さっそく、押入からビデオデッキを出してきて見てみたのは、日曜のこと。

内容は、エレクトロニカ、音響系の方々のインタヴュー集のようなもので、音を作る現場(など)にて「どうやって音楽を作り上げていくか」、「この先どうすんの」みたいなことを聞くあれです。

印象に残ったのは、竹村延和とマーカス・ポップ。竹村さんの機材の多さにびびり、マーカス・ポップの天才然とした態度に喜ぶ(上の写真参照)。

オヴァルプロセスってこういうのだったか。なるほど。

『AERO DEKO EP』でも聴くか。

脱力、毒とサウダージ

Cappuccino

雑誌、TITLE「至福のコーヒーミュージック」を読んでいたら、カプチーノが飲みたくなったので、久しぶりに作ってみた。
久しぶりなので、フォームドミルクの泡立ちがいまいち、味もB級(普通のお店級)。くやしぃ。

さて、この特集を読んで、音楽好きならば「自分なら何を選ぶだろう」と考えると思うのだけれど、僕も(もちろん)考えてみた。せっかく考えてみたので、記しておきます(笑)。
 

オス・リチミスタス『オス・リチミスタス

MPさんに教えてもらった、ドメニコ、サン・ジュアン、Dany Roland という本職がドラマーな3人のユニット。脱力感、一筋縄ではいかない感、適度のポップさと毒。

 

デヴェンドラ・バンハート『The Black Babies

録音環境の悪さからの生SE(笑)が素晴らしい効果をあげている。浮遊感、上質なへなちょこ感(?)。昼下がり、ストリートな感じ。アルバムの『OH ME OH MY…』でも可。
 

高橋悠治『Cage: Piano Sonatas/Interludes

ジョン・ケージ作。プリペアド・ピアノ独特の音色、はずし感。セロニアス・モンク(のはずし感)が好きな人にちょっと聴かせたい。小音量で。どこか遠くで鳴っている感じで。
 

僕がコーヒーミュージックに求めるのは、脱力、毒とサウダージ(?)。