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歴史の歴史

平城宮跡後、スリランカ料理を食べ、大阪に移動し、国立国際美術館にて「杉本博司 歴史の歴史」。

杉本博司氏の作品は、その完成度の高さ、コンセプトの明確さからもちろん好物なのだけれど(新作の放電場シリーズの毛細血管のような細部にも驚いたけれど)、この展覧会ではやはり氏の歴史的な、多種多様な収集品がおもしろい。さすが、古美術商(でもあるそうです)。

どれもこれも興味深いものばかりだったけれど、僕が気になったのは、ニコライ二世やトロツキーのサイン入り写真とか、A級戦犯の顔写真とか、アポロ計画宇宙食(1969年もの!)とか、隕石とか、ニュートン『プリンキア』初版本とか、銅矛とか、十一面観音とか、「大ガラス」の地図とかとかなどなど。

展示物、そのもの自体にとても魅力を感じるし、氏のインスピレーション・ソースを垣間見る、という側面もあるし。
うん、興味深い。

あ、写真は杉本氏の海景シリーズを見てしまうと海を見るたびにどうしても撮ってしまうことになる写真(笑)、沖縄編。

平城宮跡



先週の日曜は、平城宮跡。まず、これだけ広大な平野にほとんど何もないという光景が、得難い(笑)。

それに、閑散とした謎多き展示スペース、さらに、所々で子供連れの家族が野球をやっていたり、敷地のほぼ中央を電車が横断していたりの、“ゆるゆる”な場所。

でも、なんだかとっても素敵なところ、でした。うん。

家宴5

先週の土曜は奈良、sonihouse にて「音」と「食」の高度な家庭的おもてなしを目指すイベント「家宴」。うーん、楽しかった(4回連続参加で「家族」認定も受けれたし)。

それにしても、popo のライブ、すごく良かったなー。トランペット(ときにリコーダー)、トランペット(ときにシンセ)、オルガンの3人編成で、シンプルなかわいらしいメロディー、そして静かなグルーブを紡ぎ出していくのだけれど、それが sonihouse 主催のMPさんが仰るように、「滋味(豊かで深い精神的な味わい)」なんだなー。

ベテランだからできる、弾きすぎない美学、一音一音慈しむように、でもただ丁寧に弾くだけでは得られないグルーヴ、ありそうでなかった(出来そうで出来なかった)音楽。

そして、その音楽を聴いた「場」が sonihouse だったということが、さらに一段(二段?)と popo の良さを引き出しているように感じたのだけれど、それは、普通の家ながら、音響的に調整されたオーディオ機器、部屋だからこそ、だなと。抑制された生のトランペットの音ももちろん柔らかくて良かったけれど、特にオルガンの低音、濁りなき低音がとっても気持ち良いものだったなー。

もちろん「食」も相変わらずの素晴らしさ(鶏と筍の煮物がめちゃうまかった)。うん、奈良まで行く価値(少なくとも僕には)あり。

あ、写真左が買ってきた popo のCD『Kibito』。

帰奈、ジー・イ・ジー

土日、奈良、大阪。とっても楽しかったのだけれど、相変わらずの体力のなさ、今日はオフ。詳細は後日。

昼に起きて、ぼーとしながら音楽を聴いていて、今、すごく感動しているのですけど、えー、カエターノの新譜です。発売した先週に聴いた感じでは、僕的にかなりの低評価だった(ので何も書かなかった)のだけれど、それは、(以前に書いた)なかにし礼さんが端的に仰ってらっしゃること、「自分の幻想を満たしてくれる」ものではなかったから、なんだけど、さすがはカエ様、僕の期待をきれいに裏切ってくださったわけです(!)。

MPさんが他のバンドを形容して仰っていた「滋味」という言葉が、このアルバムにもぴたりと当てはまる、と思う。

深度が増しているんです。